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【BOOK】ひとつむぎの手 知念実希人

BOOK/本

今回読んだのは

「ひとつむぎの手」知念実希人 

基本的にミステリを読むのが多い私ですが、珍しく医療系の小説に挑みました。

毎回ながら個人の感想なので、参考までに読んでみてください。

さっそくチャートいってみよ!

総合 ☆ 4.4

以下詳細

内容 ☆ 4

こてこての医療モノに振りすぎず、ヒューマンモノにも振りすぎず、バランスが素晴らしい作品だと感じました。

あらすじ

大学病院に勤務する37歳心臓外科医の平良が主人公。心臓外科医は手術をこなして症例数を増やして一人前になる。しかし大学病院は権力争いが激しく、雑務の激務でほとんど家に帰ることすらもできていなかった。年齢的に出向が目前に控え、年間の手術件数が多い出向先を希望していた。

奇しくも大学の1年後輩で、現教授の甥っ子が同じ出向先を希望している。

現状では教授の甥というアドバンテージで自分の希望はかなわないのではないかと焦燥。

そんな中、平良は教授に呼び出され、人員不足を解消すべく研修医を三人受け入れ、そのうちの二人を心臓外科に入局させたら希望の出向先への配属を検討すると言われる。

平良は何とかその条件をクリアすべく奮闘する。

そんな折、病院に教授の論文はデータ怪改ざんされているという内容の文章が送られてくる。

教授は、研修医の指導と業務で手一杯の平良に、出向先を餌に怪文章の出所の特定を命じる。

研修医は入局するのか、怪文章は誰が送ったのか、平良は希望の出向先に行けるのか。

といった内容でした。

私は手術描写が苦手で首元がすくんでしまうのですが、比較的に少な目で読みやすかったです。

読みやすさ ☆ 4

医療などの何か専門に特化小説は専門用語が多くなり読みにくくなる印象でしたが、この作品は、程よく専門用語が使われ、わかりにくいものには、物語上不自然にならない程度に説明がついていて、とても読みやすい作品だと思います。

また、医療行為に偏らず、権力争いに偏らず、医師と患者の心情もしっかり描かれていて、全体的にバランスが良かったです。

私は就寝前読書で2日で読み終えました。

没入感 ☆ 4

テンポが良く、そのまま小説の世界にのめりこめる作品だと思います。

ただ、やはり医療分野に関してはわからないことも多く、完全に共感しきるのはやや難しいと感じました。

それでも、人としての在り方のようなものを基本としてくれているので、すんなり入ってくるように書かれていると思います。

読後感 ☆ 5

ネタバレになってしまわないように伝えるのが難しいですが、研修医の答え、怪文書問題の解決、平良の行方、どれをとっても納得のいく結末をむかえてくれます。

最後に残る感情は「納得」だと思います。

感情の揺らぎ ☆ 5

人物像がはっきりとしていて、嫉妬のような黒い感情も、優しさも悲しみも、様々な感情がすっと心に入ってくる作品です。

一つの作品で感情が大きく揺らぐことができて、私は涙が出てしまったシーンがありました。

疲れ果てた主人公の感情は、現代の必死に生きる多くの人が共感できるのではないでしょうか。

平良が悩み、その先に見出した答えにも背中が押されるところもあります。

  

喜びという感情は、テーマが命の現場ゆえに、なかなか生まれにくいですが、最後は心が軽くなる結末でした。

医療の現場での人間模様を疑似体験できる作品です。

心のデトックスに読んでみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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これからもよろしくお願いいたします。

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